奥歯を失った時の治療方法
奥歯を失った時の治療方法にはインプラント、入れ歯、ブリッジなど様々なものがありますが、「なぜ歯を失うことになったのか？」という根本原因を明確にした上で、治療方法を選択することが大切です。患者様お一人おひとりのお口の中の状況を確認させて頂いて、最適な方法を提案させて頂きます。
「よく噛めるようになりたい」のならインプラントがおすすめです
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋入してきちんと固定するため、入れ歯ようにがたついたり、外れたりすることがありません。天然歯に近い噛み心地を得ることができます。「ストレスなくものを噛めるようになりたい」「硬いものでもきちんと噛めるようになりたい」などとお考えであれば、インプラントがおすすめです。
歯を失った原因を明確にすることが大切です
一番後ろの奥歯(第2大臼歯)は、永久歯の中で最も寿命が短いとされています。それは、咬み合わせた時に一番力が加わる部分だからです。特に食いしばりの強い方は、インプラント治療を行っても、過度な食いしばりが原因でインプラントが駄目になってしまう危険があります。そのため当院では、「どうして歯を失うことになったのか？」という原因を確認した上で、患者様お一人おひとりの状況に最適な治療方法をご提案します。
歯を失ったまま放っておくと
歯を失った時には、できるだけ早く当院までご相談ください。歯を失ったまま放っておくと、次のようなトラブルが起こるリスクがあります。
歯並び・咬み合わせが乱れる
歯を失ったまま放っておくと、欠損部分に両隣の歯が倒れ込んできて、歯並び・咬み合わせが乱れてしまうことがあります。
咬み合う歯が伸びて来る
歯が抜けてそのままにしておくと、咬み合う歯を失った反対側の歯が、空いたスペースに向かって徐々に伸びてしまいます。
虫歯・歯周病のリスクが高くなる
歯並びが乱れることで歯磨きなどのケアがしにくくなり、虫歯・歯周病のリスクが高くなることがあります。
口元の見た目が悪くなる
歯が欠けた状態は口元の見た目を悪くすることがあります。また、歯を失って歯並びが乱れたり、咬み合う歯が伸びてしまったりすることで、見た目が悪くなることもあります。
顎や顔の形が歪む
歯を失って咬み合わせが乱れると、噛む力が片方に偏り、顎やお顔の形が歪んでしまうことがあります。
顎関節症・不定愁訴の原因となる
咬み合わせが乱れることで、顎の関節に過度な負担がかかったり、全身のバランスが崩れたりして、顎関節症や肩こり・頭痛などの不定愁訴の原因となることがあります。
インプラント
奥歯部分にインプラントを入れる場合、上顎洞や下顎管などの歯の神経や血管が通っているところがあるため、より安心・安全に治療を進める必要があります。当院では歯科用CTを用いて、精密な画像診断を行うことで安心・安全なインプラント治療の提供に努めています。
インプラントのメリット・デメリット
メリット
- 天然歯に近い感覚でものが噛めるようになる
- 健康な歯を削らなくていい
- 自然な見た目に仕上げることができる
- 顎の骨が痩せていくのを防ぐことができる
- 入れ歯のような違和感がない
デメリット
- 顎の骨に人工歯根を埋入するために、外科手術が必要となる
- 糖尿病などの全身疾患がある方や、ヘビースモーカーの方には治療できないことがある
- 顎の骨が不足していると治療できないことがある
- 治療期間が長い
- 保険が適用されないので費用がかかる
入れ歯
一番後ろの奥歯を失った場合、両隣にクラスプ(金属のバネ)を掛けることができないので、手前の歯数本にクラスプをかけます。奥歯は噛む力が強いので、金属床入れ歯などの耐久性の高い入れ歯がおすすめです。
入れ歯のメリット・デメリット
メリット
- 健康な歯を削る量が抑えられる
- 治療期間が短い
- 保険が適用されるので費用が抑えられる
デメリット
- 噛む力が弱い(部分入れ歯で天然歯の30～40％程度、総入れ歯で天然歯の10～20％程度とされている)
- がたついたり、外れたりすることがある
- 装着時に違和感を覚えることがある
- 喋りにくさなど、発音障害が起こることがある
- 保険の入れ歯の場合、口元の見た目が悪くなることがある
ブリッジ
ブリッジとは、欠損部分の両隣の歯を削って土台を作り、人工歯を橋渡しするように入れて機能性や審美性を回復させる治療方法です。一番後ろの奥歯を失った場合、両隣の歯を土台とすることができないため、手前の2本の歯を土台とする「延長ブリッジ」を使用することになります。
ブリッジのメリット・デメリット
メリット
- 入れ歯よりも違和感が少ない
- 入れ歯よりも噛む力が強い(天然歯の60％程度とされている)
- 装置が目立たない
- 治療期間が短い
- 保険が適用されるので費用が抑えられる
デメリット
- 健康な歯を削らなくてはいけない
- 土台となる歯を削ることで、歯の寿命を縮めてしまうことがある
- 土台となる歯に負担がかかる
- 土台となる歯が健康でないと治療できない
